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SALE OFF!新品北米版DVD!江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間!のレビューは!?

40代 男性さん
日本映画界が世界に誇るキング・オブ・カルトといえば石井輝男監督(1924-2005)である。昭和三十年代からメガホンをとり続け『網走番外地』シリーズのようなヒット作にも恵まれた一方で、余りにも独創的かつ作家性に溢れた作風が、時として世間一般からすればどこかアブノーマルで近寄りがたい印象を与えかねない映画をも産み出していた。 そういった作品は、一部の熱狂的ファンの支持によって国内外においてカルトな人気を博すようになっていく訳だが、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』はその嚆矢に挙げられよう。 石井監督によると、元来乱歩の小説に憧れていた監督が『パノラマ島奇談』を映画化する機会に恵まれた際、「もしかしたら乱歩作品を撮れるのはこれが最後かもしれない」との思いから『孤島の鬼』『人間椅子』『屋根裏の散歩者』等のエッセンスを盛り込んだ本作が生まれたという。(そのためタイトルも江戸川乱歩全集と銘打つこととなった) だがここで展開されるのはまさしく「石井輝男ワールド」以外の何ものでもない。乱歩の探偵小説を石井監督というフィルターで濾して妖艶かつグロテスクなイメージのみを抽出した映像なのである。 また同時に現在の道徳観からすれば相当に差別的な表現が多々見られ(決して差別を助長する目的ではないのだが)、それがこの映画をさらに一般の目から遠ざける事となったようだ。そのため日本ではビデオの発売中止、DVD化もなく長年幻の映画となっていた。それがこうしていつでも見れるというのはある意味驚きである。(北米版リージョン1なのでご注意) DVDには本編に加え特典映像として'03年イタリアの映画祭上映時の石井監督の姿や、『盲獣VS一寸法師』で明智小五郎を演じた塚本晋也監督(この人も作家性では日本随一)のインタビュー等も収録されていて、充実した内容となっている。(ジャケットがリバーシブル仕様で、裏側には初公開時のポスターがデザインされているというのもおしゃれ) まあ、しかし見る人によって評価は真っ二つに分かれる事必至の作品である。とりあえず開巻直後、精神病院のシーンでの吉田輝男氏と高英男氏の共演を見て、「ゴケミドロ」を思い出した人なら最後まで楽しめる事は間違いない。